【活用事例】株式会社コンピュータマインド様

必要な時にすぐ使えるGPUクラウドで業務遅延を解消。
GPU1枚を短期利用し過剰なコストも抑制

株式会社コンピュータマインド様

株式会社コンピュータマインド

1991年に創業したソフトウェア開発会社で、顧客ニーズに合わせたソフトウェアおよびシステムの開発やオンサイトでの技術支援に加え、AIなどの最先端技術の検証から最適化や高速化の実施、さらにPOC(Proof of Concept)を通したコンサルティングも提供している。


 

お話を伺った方

星 雄一朗さん(開発第2グループ 第1セクション 課長)
佐藤 雄大さん(開発第2グループ 第1セクション 主任)
進藤 佑樹さん(開発第2グループ R&D推進室 エキスパート)
 


 

事例のポイント
【課題】
  • GPUリソースを確保したいが、社内は場所と電力に制約があり容易に増強できなかった
  • 大手GPUクラウドサービスは、リソースに空きがなく予定通り使えず業務に支障が出ていた
  • 短期で繰り返し利用するため、長期契約の大手GPUクラウドサービスは過剰で割高だった

 

【結果】
  • GPUクラウドサービスを使い始め、GPUリソースが容易に確保できるようになった
  • 使いたい時に使えるGPUクラウドサービスで、業務が予定通り進むようになった
  • 必要な時にGPU1枚から時間単位で使えるので、割高な大手サービスを頼る必要がなくなった

 


 
今回は、2024年8月からモルゲンロットのGPUクラウドサービスCloud Bouquetを利用されている、コンピュータマインドの星さん、進藤さん、佐藤さんに、Cloud Bouquet利用の背景や抱えていた課題、その後の効果などについてお話を伺いました。
 

社内のGPUサーバーだけではリソース不足に

 
— 業務内容を教えてください。
 
星さん:コンピュータマインドは画像処理系の開発を得意としており、その中で第2グループはAIなどの最先端技術の検証実験や高速化を通して、これらの技術をお客様の現場にどのように導入するか、またその際の課題は何かをPOCを通したコンサルティングや製品化といった形で、メーカーや製造業の方々と共に進めていくことがメインの業務となっています。
 
— Cloud Bouquet利用以前の課題を教えてください。

 
星さん:先ほどの業務を行うにあたって、社内に複数のGPUサーバーを用意しており、メンバーがこれらのリソースを割り当てて作業を行っていました。しかし、最近はプロジェクト数が増え、また、瞬間的に大規模なAIモデルを動かせる環境を用意しなければならない事案が発生していました。とはいえ、毎年新しいGPUサーバーを導入するのは、コスト面だけでなく、スペースと電力供給の問題もあり、高いハードルとなっていました。そこで、GPUクラウドサービスの利用を検討することになったのですが大手のサービスでは即時性を持ってリソースを確保することが難しく、現場からは何とか計算リソースを確保してほしいという要望が多くなってきていました。
 
また、弊社はこれまでローカル環境での開発を重視し、手元で開発を進めることがメインとなっていましたが、段階的にクラウドにも一部移行し、開発環境の拡張を検討する上でも、ベンチマークから利用できるGPUクラウドサービスはないかと検討していました。
 

星 雄一朗さん(開発第2グループ 第1セクション 課長)
星 雄一朗さん(開発第2グループ 第1セクション 課長)

 

大手GPUクラウドサービスを利用するも自社には合わず

 
— どのようにGPUクラウドサービスを検討しましたか?
 
星さん:弊社では、数年前からクラウドも使っていくべきだろうという判断から、AWSなど大手のGPUクラウドサービスを3社ほど試してきました。大手のサービスはGPU8枚構成といったリッチな環境で利用できる一方、プロジェクトによってはGPU1枚で十分だったり、使いたい時にすぐ使えなかったりと、使い勝手や使いたいタイミングで合わないことが多くありました。
 
進藤さん:それに加えて、長期的に使うというよりも一時的な計算リソースが欲しいことも多いです。そのため、短期的にコストもある程度抑えられるサービスを重視していました。特に、数日間や1週間といった単位で利用した場合のコストがどのくらいになるのかという視点を重視していました。
 
星さん:実際、数カ月にわたってGPUクラウドサービスを利用し続けることは滅多になくて、ひと月の間で2週間程度検証に使うといった場合が多いです。
 
— モルゲンロットのCloud Bouquetはどのように知りましたか?
 
佐藤さん:今年5月に東京ビッグサイトで開催されたAI・人工知能EXPOの会場で、モルゲンロットの方とお話ししたのがきっかけで知りました。
 
— Cloud Bouquetを利用する決め手は何でしたか?
 
進藤さん:GPUが1枚から使えるという点はとてもありがたかったです。予算を際限なく使えるわけではないので、必要なGPUリソースを月契約でなくても確保できるというところは大きかったです。
 
星さん:我々が使いたいGPU環境を確保しやすかったり、管理システムがシンプルで扱いやすかったりという面で、弊社の文化に合っているかもしれないと感じました。
 
佐藤さん:理想の環境でNIVIDIA A100が使えるところです。以前、他のNVIDIA A100が使えるGPUクラウドサービスを試そうとしたところ、提供される環境が希望と合わず検証したいことができなかったのですが、Cloud Bouquetは自分たちで計算環境をセットアップすることができます。
 

佐藤 雄大さん(開発第2グループ 第1セクション 主任)
佐藤 雄大さん(開発第2グループ 第1セクション 主任)

 

使いやすいGPUクラウドサービスを導入でき課題を解決

 
— Cloud Bouquet利用前の準備で困ったことはありましたか?
 
星さん:シンプルに導入ができて困ることはなかったようで、実際に使うメンバーからもそういった声は特にありませんでした。
 
進藤さん:ほとんどマニュアル通りにやって、途中何点かメールで質問したくらいで環境構築できました。AWSなどはほとんどのイメージが事前に用意されていて、それを選択してインストールというか環境構築する感じですが、Cloud Bouquetでもイメージの保存手段があることに最初は気づかず、毎回0から環境構築をしていたくらいです。これも問い合わせで解決できました。
 
星さん:今回は、実は他社のGPUクラウドサービスもあまり使ったことがないメンバーをアサインして、まったくの未経験でもトラブルが少なく導入できるかといったところも試していました。その点、必要なものはすべて揃っていることが最終的に分かって、導入のしやすさも魅力的だと思っています。
 

進藤 佑樹さん(開発第2グループ R&D推進室 エキスパート)
進藤 佑樹さん(開発第2グループ R&D推進室 エキスパート)

 
— Cloud Bouquetを利用してみていかがですか?
 
進藤さん:管理の部分で、プロジェクトごとにサーバーを利用するためのポイント(予算)を割り振る部分が分かりやすかったのは良いと思います。大手のサービスだとアカウントごとにインスタンスがまとめられてしまっていて、その下のアカウントごとにプロジェクトを割り振ろうとすると面倒だったりします。Cloud Bouquetはそういう部分の管理がシンプルで分かりやすく、振り分けも簡単な印象を受けました。
 
星さん:あと、ポイントが作業者に意識しやすくなっているのも良いです。現在、どのくらい利用しているのか、あとどれくらい使えるのといったところが分かりやすくて、データベースよりすごく見やすいです。いい意味で言うと、ポイントが残りこれだけあるんだってことが把握しやすいわけですが、逆の意味では、あとこれしかないと焦りも起こります。
 
進藤さん:使っているうちに慣れでGPUクラウドサービスに繋ぎっぱなしにしてしまい、マズイみたいなことが逆にないというか、ポイントが勝手に尽きてそこまでしか使わない(使えない)ので、誤ってサービスを使い過ぎることがないのは安心です。
 
— ローカルの開発環境と比べてCloud Bouquetはいかがですか?
 
星さん:正直、問題になったことはないです。今回の利用では、主に沖縄のメンバーが弊社の山梨オフィスにある社内作業PCを経由してからCloud Bouquetを利用しました。沖縄にいるメンバーはいい意味で遅延に一番敏感なのですが、特に通信遅延などが起こったという事象もなく、その意味では問題ないと思います。
 
— 他にもCloud Bouquetが助けになったことはありますか?
 
星さん:助かったという点では、GPUリソースが確保できずに検証内容を変えたということが過去に何度かありました。大手サービスを予約しても、実際には使いたい時に使えずダメでしたと言うことの繰り返しで。その点、Cloud Bouquetはそうしたことがないので助かっています。また、今後のことを見据えて、社内でGPUクラウドサービスを広く使えるようにしようと手順化を模索してきましたが、手順化の工数は増えても検証のスケジュールに大きな遅延は起こりませんでした。その意味では、今後、GPUクラウドサービスの活用を拡げることで作業を効率化できる未来はあるなと感じています。
 
— Cloud Bouquetの利用を社内に広げていく可能性はありますか?
 
星さん:少なくとも私の部署では、GPUリソースが必要なときにはまず候補に挙がると思います。また、他部署でもAI系の開発を担っているところがあるので、検討することはあると思います。
 
進藤さん:社内ではGPUサーバーの設置スペースと電力不足の問題があり、これ以上GPUサーバーを増やすと停電が毎回起きてしまう懸念があります。
 
星さん:電力不足でブレーカーが飛んだこともありました。
 
進藤さん:ブレーカーが飛んで、ビルの管理会社からクレームが入ったことがありまして、そういった意味ではGPUクラウドサービスをもっと多く利用していく必要はあると思います。その中でモルゲンロットのCloud Bouquetを使うということは、かなり視野には入ってくると思います。
 

 

いつでもGPU1枚から柔軟に使えるクラウドサービスは他にない

 
— 最後にCloud Bouquetの評価はいかがですか?
 
星さん:一番良かった点は、我々が使いたいGPUリソースを気軽に確保できるところです。この部分は、正直、他のGPUクラウドサービスだとなかなか難しいと思っていたのですごく魅力的です。ちょっと自分たち本意の言い方をすると、いつでも確保できるこの状況が今後も続いてくれると良いなって気持ちがすごくあります。
 
進藤さん:GPUが1枚から使えるのはやっぱり大きいです。
 
佐藤さん:他のGPUクラウドサービスと比較して、GPU1枚環境から使えるのは結構貴重です。他にもGPU1枚環境を提供しているサービスはあるのですが、ドライバなどのバージョンが指定されており変更できないところもあって、Cloud BouquetのGPU1枚環境は本当に貴重です。
 
星さん:他のGPUクラウドサービスだと、環境を変更するには月額プランでしか対応できないか、準備が間に合わないという話もありました。
 
進藤さん:その点、Cloud Bouquetはそのような問題がなかったですし、イメージを取っておけるところも他のGPUクラウドサービスと違って評価できる点です。特に、NVIDIA A100が使えるのは重宝しそうだと感じました。
 
— 皆さまの開発環境にCloud Bouquetが貢献できていることを知る貴重な機会を頂きありがとうございました。引き続きモルゲンロットがご支援できるようサービスの改善に努めてまいります。
 
※掲載内容は取材当時のものです。